玉緑茶は製造工程において茶葉の形を真っ直ぐに整える精揉という作業がなく、回転するドラムによって勾玉のような丸い形状になっているのが特徴のお茶で、渋味が少なくまろやかなうま味を楽しめる緑茶として根強い人気があります。主に九州で生産され、佐賀県の嬉野が代表的な産地となっています。ムシグリまたはぐり茶とも呼ばれます。
玉緑茶の定番品種
たまみどり
耐病性が弱いものの、耐寒性に優れ収量が多く、品質が優れています。
ほうりょく
耐寒・耐病性が非常に強く収量もそこそこで、味が濃厚です。
玉緑茶に含まれる主な成分と期待できる効果・効能
カテキン
玉緑茶に含まれるカテキンには、がん予防や殺菌作用、胃腸の働きの活発化、風邪予防、エイズウイルスの増殖阻害といった効果があるといわれています。
タンニン
玉緑茶に含まれるタンニンには殺菌作用があるため、虫歯予防に役立つといわれています。また、脂肪分解酵素の働きを高める作用によるダイエット効果も期待できます。
ポリフェノール
玉緑茶に含まれるポリフェノールには、細胞のがん化を予防したり、血糖値を下げて糖尿病を予防したりする働きがあるといわれています。
ビタミンC
玉緑茶に含まれるビタミンCには、ウイルス感染への抵抗力を増して風邪を予防したり、肌に弾力性を与え、肌の色を黒くするメラニン色素の生成を抑制したりする効果があるといわれています。
玉緑茶のおいしい淹れ方
- 急須にお湯を注いで温めた後、湯のみにお湯を移し替えて温めます。適温は70度です。
- 1で温まった急須に、1杯あたり2gの茶葉を入れます。
- 湯のみのお湯を急須に戻し、2分ほど蒸らします。
- 色を確認しながら廻し注ぎます。最後の1滴まで注ぎましょう。
ちなみに、同じ玉緑茶でも茶葉を蒸すことなく高温の釜で炒ることによって発酵を止めた釜炒り玉緑茶という種類もあり、こちらは香ばしい香りを楽しむことができ、さっぱりとした口当たりで味わい深いのが特徴です。ぜひ飲み比べてみてはいかがでしょうか。