碾茶(てんちゃ)とは煎茶などのように茶葉を急須に入れてお湯を注いで飲むお茶ではなく、抹茶の原料になる茶葉のことで、玉露と同じくチャノキから茶の葉を摘むまで20日以上、藁や寒冷紗など遮光性の資材で被覆して日光を遮って育てた若い新芽を蒸して揉まずに乾燥したものです。
碾茶は日光を遮って育て、年の最初に摘んだ新芽で作った一番茶を原料とします。最初は煎茶の製造工程と同じですが、碾茶は蒸した後揉まずにそのまま乾燥させ、茎や葉脈などを除いた後に挽臼で細かく砕いたものです。
リラックス効果
碾茶に含まれるテアニンには興奮を鎮めて緊張を和らげる作用があるため、心身をリラックスさせる効果がや睡眠改善効果が期待できるといわれています。お茶を飲むとほっとひと息ついたような安らぎを感じるのは、テアニンによる癒やし効果によるものと考えられています。
美肌効果&アンチエイジング
碾茶に含まれるビタミンCには、シミを薄くしたり肌にハリを与えたりする美肌効果があるといわれています。また、ビタミンEには抗酸化作用があるため、肌の老化防止に作用し、アンチエイジングに効果的とされています。
覚醒作用・利尿作用
碾茶に含まれるカフェインには覚醒作用や利尿作用があるといわれています。脳の中枢神経を刺激することで覚醒作用が働き、眠気を防いで作業能力をアップさせたり集中力を高めたりしてくれるほか、運動能力の向上にも効果的と考えられています。
碾茶には健康と美容に役立つ栄養素が豊富に含まれており、これらの成分を効率的に摂取するには、碾茶を石臼で挽いて作った抹茶がよいとされています。碾茶の茶葉をまるごと摂取することになるため、成分をそのまま摂ることができるためです。
ちなみに、碾茶の茶葉を急須に入れてお湯を注ぎ、お茶として飲むこともできますが、碾茶は煎茶などと違い製造工程で揉む作業を行わず乾燥させたお茶であるため、お湯を注いでも葉が開かず薄いお茶になってしまいます。このことからも、碾茶を楽しむには抹茶になったものがおすすめです。