骨粗しょう症は、高齢化の進展や過度なダイエットをする人の増加、そして運動不足の人が増加するなか、患者数が伸びて現在、1,280万人と言われています。
内訳は女性980万人、男性300万人と意外にも男性の比率が高くなっています。
10年ほど前は、男性比率は20%程度でしたが25%と比率がアップしています。男性は女性よりも骨折すると、その後の状態が悪くなる率が高いので注意が必要です。そして、骨粗しょう症を患っているとされる1280万人中、治療を受けている率は約2割しかないと推測されています。
命に即影響はないけれど、寝たきりリスクが高くなりQOLが悪化
骨粗しょう症は骨折を起こしやすくなるので、寝たきり生活になる危険性が増加します。
寝たきりになると本人は一番辛いのは当然ですが、家族のその介護のために大きな負担がかかります。寝たきりになっては、いくら長生きしても楽しくない人生が延びるだけです。
つまり、QOLが悪化します。
QOLとはクオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life)のことで、生活の質のことを指し、人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということです。
寝たきりになる大きな要因の一つである骨粗しょう症(厚生労働省の調査では寝たきり原因の3位)は、食生活に注意したり、早い治療を受けたりすることで予防することができます。
骨に良い生活ができていない女性が多い
食生活以外では、日光に当たること、適度な運動が必要なことがあげられますが、製薬会社の調査では日光に当たることが骨の形成に必要なことは約8割が知っているものの、実際には必要な時間の30分以上日光に当たっていない人が30歳以上の女性では約6割もいます。
また、骨を丈夫にするには1日30分以上の運動が必要ですが、約8割の30歳以上の女性ができていません。また、より若い女性はダイエットに熱心で骨を脆くしています。食生活では、カルシウムを十分に取らなければならないことは良く知られていますが、魚離れもあって、日本人の平均で必要摂取量の65%から90%しか食事からはとれていません。