トリプトファンは、乳製品や大豆製品などに豊富に含まれる必須アミノ酸のひとつです。
トリプトファンの栄養効果として、催眠、鎮痛、精神安定、うつ病改善、老化防止、生活習慣病予防、月経前症候群・更年期障害の症状改善、集中力・記憶力の向上、コレステロール値・血圧の安定などが期待できます。
トリプトファンの効能
不眠・うつ病の改善
トリプトファンは、催眠効果・鎮痛作用・精神安定を促す神経伝達物質であるセロトニンを脳内で作り出しますが、偏頭痛や不眠の問題を抱える人やうつ病傾向にある人、アルコール依存症の人は脳内でセロトニンの分泌量が少ないことがわかっています。
こうした症状がある場合は、セロトニンがしっかり分泌されるよう、トリプトファンが豊富に含まれる食事を積極的に摂取すると効果的です。
また、同じくトリプトファンから作られるドーパミンやノルアドレナリンにも、気分を高揚させて活動を促す働きがあり、不眠やうつ病の改善が期待されています。
老化・生活習慣病の予防
トリプトファンから作られるメラトニンは、「若返りの薬」という別名があるほど老化防止や生活習慣病予防にも効果的です。ただ、加齢とともに睡眠時間が短くなるのは、メラトニンの分泌が加齢とともに減少するためといわれています。
また、トリプトファンそのものに体内で発生する余分な活性酸素を除去する働きがあることがわかっているため、トリプトファンを積極的に補うことで、アンチエイジングに効果的と考えられています。
月経前症候群や更年期障害の症状改善
月経前症候群の原因はいまだはっきりしておらず、個人差もありますが、セロトニンの分泌量の低下が症状を悪化させると考えられています。また、トリプトファンそのものにも鎮痛作用や精神安定作用が認められています。
ただし、どれくらい摂取すれば効果的なのかといった詳細については、今後の研究が待たれるところとなっています。
そのほかの効能
アメリカでは、トリプトファンには集中力や記憶力を高める作用があることが認められています。
また、コレステロール値や血圧を安定させたり、更年期障害の症状を緩和したりする事例も報告されています。