糖尿病の当事者やその家族、あるいは医療関係者以外で、「1型・2型」という言葉の意味を理解している人はそれほど多くないのではないでしょうか。
今回は、糖尿病のメカニズムからそれらの違いをご説明したいと思います。
糖尿病はこうして発症
血液中のブドウ糖濃度(=血糖値)は、正常ではせいぜい80〜140mg/dlの狭い範囲で調整されており、血糖値をコントロールしているのがインスリンというホルモンです。このインスリン分泌が不足したり、働きが不十分になって血液中のブドウ糖濃度が高い状態が続いたりすると糖尿病になります。
エネルギーとして十分に利用されず、血液中で余るようになったブドウ糖は尿に漏れ出します。また、血糖値を高いままで放置すると、網膜症・腎症・神経症などの合併症が引き起こされます。
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1型と2型はどう違う?
糖尿病のタイプ、1型と2型には、次のような違いがあります。
糖尿病 1型
ウイルス感染や異常な免疫反応が原因で、インスリンの分泌が絶対的に不足して発症する。
ある日突然はっきりした自覚症状をもって発症。
糖尿病 2型
遺伝的要素にカロリーの過剰摂取や運動不足、ストレスなど生活習慣が加わって発症するとみられている。
発症率はどちらが高い?
40〜50代を中心に増えている糖尿病は2型が圧倒的に多く、ゆっくり進行していくため、発症に気づかない人もいます。
現在では、成人の6人に1人が糖尿病または予備軍といわれています。
予防・改善には食事と運動が基本
糖尿病の予防は、食事と運動が基本です。肥満はリスク要因となるため、その治療や脂肪摂取量を減らすことが必要です。
また、血糖値のコントロールも不可欠です。食後の血糖値上昇を抑えるためにも、早食いをやめ、野菜・きのこ類・海藻類など食物繊維が豊富な食材を摂るなどの対策に努めましょう。