ビタミンKは油脂に溶けるビタミンの一つで、出血を止める作用があることから、抗出血性ビタミンとも呼ばれています。腸内細菌によって体内でも合成されますが、食べ物から摂ることも必要な栄養素です。
血液凝固の調節や骨粗鬆症予防に
ビタミンKは、普段は血液が固まらないように、出血時には血液を固めるように、バランスをとる働きをしています。
出血が起きると、血液中に溶け込んでいる水溶性のフィブリノーゲンが不溶性のフィブリンに変化して出血を止めるのですが、この変化に必要なトロンビンという酵素を生成するために必要なのがビタミンKなのです。
また、ビタミンKは骨の健康維持にも不可欠で、骨にカルシウムを沈着させるのを助け、骨からカルシウムが溶け出すのを抑える働きがあります。そのため、ビタミンKは骨粗鬆症予防の治療薬としても用いられています。
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ビタミンKを豊富に含む食材は?
ビタミンKは、次の食材に多く含まれています。
- かぶの葉(50g中170μg)
- 納豆(50g中435μg)
- ほうれん草(100g中270μg)
新生児や肝臓障害のある方は不足しがち
欠乏症はほとんど見られませんが、ビタミンKがほとんど含まれていない母乳のみを栄養源とする新生児の場合は、消化管出血が起こりやすくなります。これは、新生児の腸内が無菌状態で、体内でビタミンKを生成できないからです。成人でも肝臓に障害のある方は不足しがちになります。
抗血栓薬を服用中の方はまず医師に相談
過剰症の例もありませんが、血栓症を防ぐために血を固まりにくくさせるワーファリンという抗血栓薬を服用している場合は、ビタミンKの摂取が制限されます。一緒に摂ると、ビタミンKがワーファリンの作用を妨げ、血液が固まりやすくなってしまいます。まずはかかりつけの医師に相談しましょう。